コカ・コーラ(KO)決算分析と目標株価 キャッシュフローマージンが高く稼ぐ力は強い 売上高は伸び悩み株価も不調

食品・飲料・タバコ

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とコカ・コーラへの投資についてコメントします。

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会社概要

コカ・コーラ(Coca Cola、KO)

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国:アメリカ

セクター:生活必需品

産業グループ:食品・飲料・タバコ

サブ産業グループ:清涼飲料

株式時価総額:2,357億ドル(世界ランキング第34位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:2,238億ドル(2020年12月末、MSCI)

コカ・コーラは、アメリカに本拠を置く、清涼飲料等を製造・販売する企業です。

コカ・コーラの事業は、濃縮事業と完成品事業に大きく分けられます。

濃縮事業とは、飲料の元となる濃縮液(原液)を製造しボトラーに販売する事業で、完成品事業とは、飲料等を完成し業者へ販売する事業を指します。

一部の飲料等を除き、ボトラーが飲料を製造・完成し販売を行うため、コカ・コーラは濃縮液の製造・販売やマーケティング等に専念できるメリットがあります。

生活必需品セクターでは第3位、食品・飲料・タバコでは第2位の浮動株調整後株式時価総額で、清涼飲料に占めるコカ・コーラの浮動株調整後株式時価総額比率は42%です。

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売上高(セグメント別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は90億ドル(前年同期比+4.9%)と、コンセンサス(86億ドル)を上回りました。

オーガニックグロース(非GAAP)は、前年同期比+6%と、コンセンサス(+0%)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・欧州/中東/アフリカ:16億ドル、前年同期比▲6%

・ラテンアメリカ:9億ドル、前年同期比▲2%

・北米:29億ドル、前年同期比+3%

・アジアパシフィック:14億ドル、前年同期比+24%

・グローバルベンチャー:6億ドル、前年同期比▲1%

・ボトリングインベストメンツ:19億ドル、前年同期比+14%

セグメント別の売上高構成比は、北米が31%、ボトリングインベストメンツが20%、欧州/中東/アフリカが17%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

売上高は、過去5年間で年率▲5.7%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q1の営業利益は27億ドル(前年同期比+14.4%)、営業利益率は30.2%と、前年同期の27.7%から改善しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

売上高の約2割を占めるボトリングインベストメンツの営業利益構成比はわずかです。

2021Q1のEPSは0.52ドル(前年同期比▲18.8%)と、コンセンサス(0.50ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは0.55ドル(前年同期比+7.8%)と、コンセンサス(0.50ドル)を上回りました。

(参考)過去5年間のEPS

非GAAP EPSは、過去5年間で年率▲0.5%となりました。

キャッシュフローの推移

2021Q1の営業キャッシュフローは16億ドル(前年同期比+194%)、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は18.1%と、前年同期の6.5%から改善しました。

2021Q1のフリーキャッシュフローは14億ドル(前年同期比+520%)、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は15.7%と、前年同期の2.7%から改善しました。

(参考)過去5年間の営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、過去5年間で▲1.3%となりました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、過去5年間で+1.7%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いは3四半期連続で実施なしです。

(参考)過去5年間の株主還元

自社株買いは減少傾向にあります。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.3%、フリーキャッシュフロー利回りは3.7%です。

過去5年間の配当利回りは3%前後です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向、総還元性向は、利益・キャッシュフローベースともに100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.64ドルと、前年度比+2.5%、過去5年間で年率+4.4%となりました。

FY2021のDPSは1.68ドル(前年度比+2.4%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.4%となりました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは20%程度と、投資効率は高いです。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、4勝、3敗、1引き分けです。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2引き分けです。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+19.1%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を大きく下回りました。

競合他社(食品・飲料)の株価上昇率(Nestleはスイスフラン建て、Danone、Pernod、Heinekenはユーロ建て、Kweichowは人民元建て、Asahi、Kirinは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

コカ・コーラ(KO)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲1%と、15社平均(+5%)を下回り、15社中第10位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+20%と、15社平均(+20%)とほぼ同水準となり、15社中第8位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

コカ・コーラは、下落相場に比較的強いと言えます。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

なお、コロナショックで最大20%超のドローダウンが発生しましたが、その後株価は回復中です。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+5.0%と、S&P500(年率+12.9%)を下回りました。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを4.0%、金利が1%上昇した場合は4.9%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は57ドルとなります。

コカ・コーラ(Coca Cola、KO)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は90億ドル(コンセンサス86億ドル)、非GAAP EPSは0.55ドル(コンセンサス0.50ドル)を上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・オーガニックグロース(非GAAP):1桁後半

・非GAAP EPS:1桁後半〜2桁前半

・フリーキャッシュフロー:85億ドル(営業キャッシュフロー100億ドル、設備投資15億ドル)

DCF法による目標株価は57ドルのため、2021年3月末時点の株価53ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.3倍(年率+3%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである26%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

コロナ収束によって業績回復は見込めるものの、より高い増収率やフリーキャッシュフローマージンの大幅改善が想像しづらいので、株価は当面50ドル台で推移すると思います。

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