ペプシコ(PEP)決算分析と目標株価 飲料メーカー世界第3位の株式時価総額 49年連続増配へ 自社株買いも積極的

食品・飲料・タバコ

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とペプシコへの投資についてコメントします。

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会社概要

ペプシコ(Pepsico、PEP)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:生活必需品

産業グループ:食品・飲料・タバコ

サブ産業グループ:清涼飲料

株式時価総額:2,047億ドル(世界ランキング第51位、2021年6月末)

ペプシコは、アメリカに本拠を置く、食品や清涼飲料等を製造・販売する企業です。

 

(参考)競合他社(飲料(清涼飲料、蒸留酒・ワイン、醸造))の株式時価総額(2021年6月末)

 株式時価総額
(億ドル)
マオタイ/貴州茅台酒(600519.SS)4,001
コカ・コーラ(KO)2,333
ペプシコ(PEP)2,047
ウーリアンイエ・イーピン/宜賓五糧液(000858.SZ)1,791
アンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD)1,426
ディアジオ(DEO)1,120
ハイネケン(HEIA.AS)699
アンベブ(ABEV)543
ノンフ・スプリング/農夫山泉(9633.HK)601
ペルノ・リカール(RI.PA)589
キューリグ・ドクターペッパー(KDP)500
モンスタービバレッジ(MNST)483
コンステレーション・ブランズ(STZ)451
バドワイザーAPAC(1876.HK)431
ブラウン・フォーマン(BF.B)353
チャイナ・リソーシズ・ビール/華潤ビール(0291.HK)307
フォメント・エコノミコ・メヒカーノ(FMX)302
カールスバーグ(CARL-B.CO)280
コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズ(CCEP)270
アサヒグループHD(2502.T)250
チンタオ・ブルワリー/青島ビール(0168.HK)187
キリンHD(2503.T)163

 

売上高(セグメント別、地域別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は704億ドルと、前年度比+4.8%、過去5年間で年率+2.2%となりました。

 

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は148億ドル(前年同期比+6.8%)と、コンセンサス(145億ドル)を上回りました。

オーガニック・グロース(有機的成長)は前年同期比+2.4%と、コンセンサス(+1.7%)を上回りました。

 

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・北米フリトレー(菓子等):42億ドル、前年同期比+4%

・北米クエーカーフーズ(シリアル等):6億ドル、前年同期比+2%

・北米飲料:51億ドル、前年同期比+5%

・ラテンアメリカ:12億ドル、前年同期比▲5%

・欧州:18億ドル、前年同期比▲2%

・アフリカ/中東/南アジア:9億ドル、前年同期比+40%

・アジアパシフィック:9億ドル、前年同期比+70%

 

セグメント別の売上高構成比は、北米飲料が34%、北米フリトレーが29%を占めます。

 

利益の推移

FY2020の営業利益は101億ドルと、前年度比▲2.1%、過去5年間で年率+4.0%となりました。

営業利益率は14.3%と、前年度の15.3%から悪化しました。

 

2021Q1の営業利益は23億ドル(前年同期比+20.2%)となりました。

 

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

 

FY2020の非GAAP EPSは5.52ドルと、前年度比▲0.2%、過去5年間で年率+3.8%となりました。

 

2021Q1のEPSは1.24ドル(前年同期比+29.2%)と、コンセンサス(1.11ドル)を上回りました。

非GAAP EPSは1.21ドル(前年同期比+13.1%)と、コンセンサス(1.12ドル)を上回りました。

 

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは106億ドルと、前年度比+10.0%、過去5年間で年率▲0.5%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は15.1%と、前年度の14.4%から改善しました。

 

2021Q1の営業キャッシュフローは▲7億ドル(前年同期比同水準)となりました。

 

FY2020のフリーキャッシュフローは64億ドルと、前年度比+17.6%、過去5年間で年率▲4.7%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は9.1%と、前年度の8.1%から改善しました。

 

2021Q1のフリーキャッシュフローは▲12億ドル(前年同期比同水準)となりました。

 

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

 

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.5%、フリーキャッシュフロー利回りは3.1%です。

過去5年間の配当利回りは3%前後、総還元利回りは4%前後です。

 

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去5年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに100%を下回りました。

 

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは4.02ドルと、前年度比+6.1%、過去5年間では年率+7.8%です。

四半期配当は0.955ドルから1.0225ドルへ+5%増配することを発表しました。

49年連続増配です。

 

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.3%となりました。

 

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われれています。

過去5年間のROICは15%程度と、投資効率は比較的高いです。

 

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、7勝、1引き分けです。

 

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、3勝、4敗、1引き分けです。

 

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、7勝、1引き分けです。

 

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+17.8%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

 

競合他社(飲料)の株価上昇率(600519.SS、000858.SZは人民元建て、HEIA.AS、RI.PAはユーロ建て、1876.HK、0291.HK、0168.HKは香港ドル建て、CARL-B.COはデンマーク・クローネ、2502.T、2503.Tは日本円建て、その他はUSドル建て)は、以下の通りです。

ペプシコ(PEP)の株価上昇率は、2020年の1年間で+9%と、21社平均(+15%)を下回り、21社中第9位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+24%と、20社平均(+36%)を下回り、20社中第9位となりました。

 

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ペプシコは、下落相場に強いと言えます。

 

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から5%もしくは10%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

 

(参考)過去5年間の株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+8.2%と、S&P500(年率+12.9%)を下回りました。

 

(参考)株価の推移(月末株価)

通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。

 

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを3.9%、金利が1%上昇した場合は4.8%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+8%、4年目〜10年目+3%。11年目以降の永続成長率は0%

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+8%。11年目以降の永続成長率は0%

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+2%。11年目以降の永続成長率は0%

メインシナリオの目標株価は147ドルとなります。

 

ペプシコ(Pepsico、PEP)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は148億ドル(コンセンサス145億ドル)、非GAAP EPSは1.21ドル(コンセンサス1.12ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

オーガニック・グロース(有機的成長)は前年同期比+2.4%と、コンセンサス(+1.7%)を上回りました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高(オーガニック・グロース):1桁半ば

・EPS(為替変動の影響排除):+1桁後半

・株主還元額:59億ドル

DCF法による目標株価は147ドルのため、2021年2月末時点の株価141ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.4倍(年率+3%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが10%(FY2020:9%)まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

コカ・コーラと比較してフローキャッシュフローマージンが低く、ペプシコは改善余地があると思われます。

自社株買いを実施しているので、発行済株式数の減少による株価上昇も可能です。

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