ウェルズファーゴ(WFC)決算分析と目標株価 不祥事を受けてFRBによる資産上限制限で当面は業績拡大が困難

銀行

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とウェルズ・ファーゴへの投資についてコメントします。

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会社概要

ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo & Company、WFC)

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国:アメリカ

セクター:金融

産業グループ:銀行

サブ産業グループ:都市銀行

株式時価総額:1,248億ドル(世界ランキング第97位、2020年12月末)

ウェルズ・ファーゴは、アメリカに本拠を置く、伝統的な商業銀行ビジネスに注力する、アメリカ4大銀行の1つです。

2002年から2016年にかけて行われた不正営業(顧客に無断で銀行口座の開設等)が2016年に発覚し、2020年に制裁金30億ドルを支払うことをアメリカ当局と合意しました。

この不祥事を受けて、FRBから資産上限が設けられており、解決するまでは業績拡大が困難な状況です。

金融セクターで第6位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、都市銀行に占めるウェルズ・ファーゴの浮動株調整後株式時価総額比率は3%です。

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純収益(セグメント別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の純収益は181億ドルと、前年同期比+2.0%となり、コンセンサス(176億ドル)を上回りました。

2021Q1の純金利収入は88億ドルと、前年同期比▲22%となりました。

セグメント別の純収益は、以下の通りです。

・個人向け:87億ドル、前年同期比+0%

・商業銀行:22億ドル、前年同期比▲12%

・投資銀行:36億ドル、前年同期比+3%

・富裕層&資産運用:35億ドル、前年同期比▲1%

セグメント別の純収益構成比は、個人向けが48%を占めます。

2021年3月末の融資額は0.86兆ドルと、前年同期比▲15%となり、預金は1.4兆ドルと、前年同期比+4%となりました。

2021年3月末の住宅ローンは2,305億ドル(前年同期比▲16%)、自動車ローンは500億ドル(前年同期比+0%)、クレジットカードローンは342億ドル(前年同期比▲11%)となりました。

FY2021Q1の住宅ローン組成額は518億ドル(前年同期比+8%)、自動車ローン組成額は70億ドル(前年同期比+8%)となりました。

FY2021Q1の顧客資産額は2.06兆ドルと、前年同期比+28%となりました。

利益(セグメント別)の推移

2021Q1(2021年1−3月期)の純利益は44億ドル、EPSは1.05ドルと、コンセンサス(0.72ドル)を上回りました。

2021年3月末時点の融資向け貸倒引当金は180億ドルと、前四半期比▲8%(▲17億ドル)となりました。

セグメント別の純利益は、以下の通りです。

・個人向け:21億ドル、前年同期比+240%

・商業銀行:6億ドル、前年同期比黒字転換

・投資銀行:16億ドル、前年同期比+439%

・富裕層&資産運用:4億ドル、前年同期比黒字転換

(参考)過去5年間の純利益とEPS

株主還元(配当、自社株買い)の推移

自社株買いに積極的です。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2019までの益利回り(PERの逆数)は6〜9%と、バリュエーション面では割安感がありました。

自社株買い利回りは、高い水準です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは1.22ドルと、前年度比▲36.5%、過去5年間では年率▲3.8%となりました。

2020Q3から四半期配当が0.1ドルのため、FY2021の配当は0.4ドルの見込みです。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲4.5%減少しました。

ROEの推移

2021Q1(2021年1−3月期)のROEは10.6%となりました。

(参考)過去5年間のROE

FY2019までのROEは10%以上と、比較的高い水準でした。

純収益およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、純収益のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、3勝、4敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、2勝、5敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+36.1%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を下回りました。

競合他社(都市銀行)の株価上昇率(MUFG、SMFG、Mizuhoは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

ウェルズ・ファーゴ(WFC)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲44%と、14社平均(▲14%)を下回り、14社中第14位となりました。

2018年1月から2020年12月末の3年間では▲50%と、14社平均(▲11%)を下回り、14社中第14位となりました。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

銀行株全体に言えることですが、下落相場に弱いと言えます。

過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

(参考)過去5年間の株価上昇率(会計年度ベース)

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率▲11.1%と、S&P500(年率+12.9%)を大きく下回りました。

(参考)株価の推移(月末株価)

BPSとPBRの推移

以下のグラフは、BPSとPBRの推移となります。

(参考)過去5年間のBPSとPBR

BPSは、過去5年間で年率+3.3%となりました。

目標株価

以下のグラフは、株式市場全体および11セクターのPBRと予想ROE(2020年12月末、MSCI)の散布図となります。

ROEが高いほど、PBRも高いことが言えます(決定係数は0.857と、説明力は非常に高い)。

金融セクターやエネルギーセクターは、ROEが低いためPBRの観点で割安に放置されています。

メインシナリオの予想ROEを8%、アップサイドシナリオの予想ROEを10%、ダウンサイドシナリオの予想ROEを5%とし、回帰式をもとに目標株価を推計しました。

メインシナリオの目標株価は53ドルとなります。

ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo & Company、WFC)への投資について

2021Q1(2021年1−3月期)の純収益は181億ドル(コンセンサス176億ドル)、EPSは1.05ドル(コンセンサス0.72ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

一方、純金利収入は88億ドルと、前年同期比▲22%となりました。

融資向け貸倒引当金は、2四半期連続で減少し、2021年3月末時点で180億ドルです。

目標株価は53ドルのため、2021年3月末時点の株価39ドルより高い水準です。

不祥事を受けてFRBによる資産上限制限が設けられたことから、競合他社と比較して株価は不調ですが、制限が撤廃された場合には適正なバリュエーションへの回帰から、株価の急騰が想定されます。

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