三菱商事(8058)決算分析と目標株価 業績が天然ガスと原料炭価格の影響を受けやすい 総合商社トップから遠ざかる 

資本財

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出と三菱商事への投資についてコメントします。

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会社概要

三菱商事(Mitsubishi Corporation、8058.T)

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国:日本

セクター:資本財・サービス

産業グループ:資本財

サブ産業グループ:商社・流通業

株式時価総額:3.3兆円(日本ランキング第33位、2020年12月末)

浮動株調整後株式時価総額:369億ドル(2021年4月末、MSCI)

三菱商事は、日本に本拠を置く大手総合商社です。

事業セグメントは、天然ガス(天然ガス、原油、LNG)、総合素材(炭素、鉄鋼製品)、石油/科学(石油製品)、金属資源(原料炭、銅、鉄鉱石、アルミ)、産業インフラ(千代田化工建設等)、自動車/モビリティ(三菱自動車、いすゞ)、食品産業、コンシューマー産業(ローソン等)、電力ソリューション、複合都市開発に分けられます。

商社・流通業に占める三菱商事の株式時価総額比率は11%です。

(参考)競合他社(商社・流通業)の株式時価総額

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売上高の推移

FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は14兆7,797億円と、前年度比▲8.2%となりました。

資源(原油、ガス、鉄鉱石、石炭、銅)生産量の推移

FY2020(2021年5月時点)のLNG生産能力は1,212万トン、油価(ドバイ、2019年10月〜2020年9月)は47ドルとなりました。

油価1ドルの変動で±25億円の損益インパクトです。

FY2020の原料炭の生産量は3,170万トンとなりました。

原料炭の市況データが発表されていませんが、三井物産の資料によると、FY2020の原料炭価格は▲30%となりました。

2020年の銅生産量は22.7万トンとなりました。

銅価格100ドルの変動で±13億円の損益インパクトです。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の純利益は1,726億円と、前年度比▲67.8%となりました。

セグメント別の純利益は、以下の通りです。

・天然ガス:212億円、前年度比▲70%

・総合素材:47億円、前年度比▲82%

・石油/化学:62億円、前年度比黒字転換

・金属資源:781億円、前年度比▲63%

・産業インフラ:212億円、前年度比▲49%

・自動車/モビリティ:▲281億円、前年度比赤字転落

・食品産業:394億円、前年度比▲26%

・コンシューマー産業:▲732億円、前年度比赤字転落

・電力ソリューション:423億円、前年度比▲18%

・複合都市開発:254億円、前年度比▲26%

セグメント別(その他等除く)の純利益構成比は、金属資源が57%を占めます。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは1兆0,176億円と、前年度比+15.7%、過去5年間で年率+7.8%となりました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020は、198億円の自社株買いを実施しました。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は3.7%です。

FY2020の配当利回りは4.3%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

FY2020の配当性向は、100%を上回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは134円と、前年度比+1.5%、過去5年間で年率+21.8%となりました。

FY2021のDPSは134円(前年度比+0.0%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲1.5%となりました。

ROEの推移

FY2020のROEは3.2%となりました。

株価上昇率

FY2020(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+36.6%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+54.9%)を下回りました。

過去5年間(2016年4月から2021年3月末)の株価上昇率は年率+10.4%と、VT ETF(年率+11.0%)を下回りました。

競合他社(商社・流通業)の株価上昇率(伊藤忠、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅は日本円建て、FERG.Lはポンド建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

三菱商事の株価上昇率は、2020年の1年間で▲12%と、9社平均(+10%)を下回り、9社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では▲18%と、9社平均(+25%)を下回り、9社中第8位となりました。

過去10年間(2011年5月から2021年4月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から30%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)株価の推移(月末株価)

BPSとPBRの推移

以下のグラフは、BPSとPBR(株価は会計年度末)の推移となります。

FY2020のBPSは3,803ドルと、前年度比+8.0%、過去5年間で年率+5.6%となりました。

目標株価

以下のグラフは、株式市場全体および11セクターのPBRと予想ROE(2021年3月末、MSCI)の散布図となります。

ROEが高いほど、PBRも高いことが言えます(決定係数は0.847と、説明力は非常に高い)。

金融セクターやエネルギーセクターは、ROEが低いためPBRの観点で割安に放置されています。

メインシナリオの予想ROEを6.5%、アップサイドシナリオの予想ROEを5%、ダウンサイドシナリオの予想ROEを5%とし、回帰式をもとに目標株価を推計しました。

メインシナリオの目標株価は3,172円となります。

三菱商事(Mitsubishi Corporation、8058.T)への投資について

FY2020の純利益は1,726億円と、前年度比▲67.8%となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・純利益:3,800億円

キャッシュフロー創出力が高いことから、減配の可能性は非常に小さいです。

DCF法による目標株価は3,172円のため、2021年4月末時点の株価3,020円とほぼ同水準です。

油価上昇や三菱自動車の赤字解消見込みで、業績回復が期待されます。

大手総合商社の中では、伊藤忠商事が最もクオリティが高いです。

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