ボーイング(BA)決算分析と目標株価 赤字幅拡大 777Xの引き渡し開始は2023年後半へ延期

資本財

2020年10-12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とボーイングへの投資についてコメントします。

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会社概要

ボーイング(The Boeing Company、BA)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:資本財・サービス

産業グループ:資本財

サブ産業グループ:航空宇宙・防衛

浮動株調整後株式時価総額:1,148億ドル(2020年12月末、MSCI)

ボーイングは、アメリカに本拠を置く、世界最大級の航空宇宙企業で、資本財・サービスセクターで第4位、資本財で第2位の浮動株調整後株式時価総額となっています。

航空宇宙・防衛に占めるボーイングの浮動株調整後株式時価総額比率は16%です。

売上高(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は153億ドルと、前年同期比▲14.6%となり、コンセンサス(153.6億ドル)を下回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・民間航空機:47.3億ドル、前年同期比▲36.6%

・防衛&宇宙&セキュリティ:67.8億ドル、前年同期比+14.4%

・サービス:37.3億ドル、前年同期比▲19.7%

セグメント別の売上高は、防衛&宇宙&セキュリティが44%、民間航空機が31%を占めます。

(参考)過去5年間の売上高

受注残と民間航空機の引き渡し数

各セグメントの受注残は、以下の通りです。

全体では3,634億ドルと、受注残の減少が止まりません。

民間航空機の引き渡し数は、以下の通りです。

利益(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業利益は▲80億ドルと、前年同期比赤字幅拡大となり、営業利益率は▲52.6%と、前年同期の▲12.3%から悪化しました。

777X(民間航空機)で65億ドルの損失を計上したことが主な要因です。

セグメント別の営業利益は、以下の通りです。

2020Q4のEPSは▲14.65ドルと、前年同期比赤字幅拡大となり、コンセンサス(▲1.08ドル)を大きく下回りました。

なお、非GAAP EPSは▲15.25ドルと、コンセンサス(▲1.63ドル)を大きく下回りました。

キャッシュフローの推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業キャッシュフローは▲40億ドルと、前年同期比赤字幅拡大となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は▲26.2%と、前年同期の▲12.4%から悪化しました。

2020Q4の設備投資額/売上高は1.7%と、前年同期の3.2%から低下しました。

2020Q4のフリーキャッシュフローは▲43億ドルと、前年同期比赤字幅拡大となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は▲27.9%と、前年同期の▲15.6%から悪化しました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の発行済株式数

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、2勝、3敗、2引き分けです。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、2勝、5敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、2勝、5敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は▲34.3%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を大きく下回りました。

競合他社の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

ボーイングの株価上昇率(2020年)は、資本財・サービスセクターの中では突出して悪いものの、航空宇宙・防衛株(レイセオン、ロッキード・マーティン)もマイナスです。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

資本財・サービスセクターは全般的に景気感応度が高いため、下落相場に弱い傾向がありますが、ボーイングは特に弱いと言えます。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.2%、金利が1%上昇した場合は8.1%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+0%、2年目0億ドル、3年目100億ドル、4年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+0%、2年目0億ドル、3年目100億ドル、4年目〜10年目+15%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+0%、2年目0億ドル、3年目100億ドル、4年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は261ドルとなります。

ボーイング(The Boeing Company、BA)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は153億ドル(コンセンサス153.6億ドル)、非GAAP EPSは▲15.25ドル(コンセンサス▲1.63ドル)と、コンセンサスを下回る実績となりました。

DCF法による目標株価は269ドルのため、2021年1月末時点の株価194ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.2倍(年率+12%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが10%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

737の墜落事故や、777Xの引き渡しが2023年後半へ延期など、当面業績回復は期待できませんが、ポジティブなニュースがあると株価は急回復しそうなので、安値で買ってじっと我慢するのもアリかもしれません。

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