スリーエム(MMM)決算分析と目標株価 利益率・キャッシュフローマージンは改善 総還元利回りは4%程度

資本財

2020年10-12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とスリーエムへの投資についてコメントします。

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会社概要

スリーエム(3M、MMM)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:資本財・サービス

産業グループ:資本財

サブ産業グループ:コングロマリット

浮動株調整後株式時価総額:1,007億ドル(2020年12月末、MSCI)

スリーエムは、アメリカに本拠を置く、研磨材や接着剤、自動車・電子用製品、医療用機器、文具・家庭用品(ポストイットやスコッチ)などを製造・販売する複合企業です。

資本財・サービスセクターで第7位の浮動株調整後株式時価総額で、コングロマリットに占めるスリーエムの浮動株調整後株式時価総額比率は15%です。

大きく4つのセグメントに分けられます。

① 安全&産業

研磨材、接着剤、電力関連製品 etc

② 輸送&電子機器

フッ素化学製品、自動車内外装関連、液晶ディスプレイ関連 etc

③ ヘルスケア

医療用製品、歯科用製品 etc

④ 消費者

文具用品、家庭用品 etc

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売上高(セグメント別、地域別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は85.8億ドルと、前年同期比+5.8%となり、コンセンサス(83.9億ドル)を上回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・安全&産業:31.4億ドル、前年同期比+12.7%

・輸送&電子機器:23.4億ドル、前年同期比+2.3%

・ヘルスケア:22.6億ドル、前年同期比+5.4%

・消費者:14.3億ドル、前年同期比+10.6%

セグメント別の売上高は、安全&産業が34%、輸送&電子機器が26%を占めます。

地域別の売上高の増減率は、以下の通りです。

(参考)過去5年間の売上高

利益(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業利益は18.5億ドルと、前年同期比+39.5%となり、営業利益率は21.5%と、前年同期の16.3%から改善しました。

セグメント別のEBITDAマージンは、以下の通りです。

2020Q4のEPSは2.38ドルと、前年同期比+43.4%となり、コンセンサス(2.17ドル)を上回りました。

なお、非GAAP EPSは2.38ドルと、コンセンサス(2.17ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業キャッシュフローは25.2億ドルと、前年比+7.6%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は29.3%と、前年同期の28.8%から改善しました。

2020Q4の設備投資額/売上高は4.9%と、前年同期の6.6%から低下しました。

2020Q4のフリーキャッシュフローは20.9億ドルと、前年同期比+16.3%となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は24.4%と、前年同期の22.2%から改善しました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

株主還元(配当、自社株買い)の推移

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

(参考)過去5年間の発行済株式数

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、4勝、3敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、5勝、2敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去7四半期中、6勝、1敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は▲0.9%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を下回りました。

競合他社の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

スリーエムの株価上昇率(2020年)は、同じ産業サブグループ(コングロマリット)の中では最も低い水準でした。

株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。

資本財セクターは景気感応度が高いため、下落相場には弱い傾向がありますが、スリーエムは相対的にやや抑えられています。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを5.5%、金利が1%上昇した場合は6.4%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+5%、2年目+4%、3年目+3%、4年目+2%、5年目+1%、6年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は214ドルとなります。

スリーエム(3M、MMM)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は85.8億ドル(コンセンサス83.9億ドル)、非GAAP EPSは2.38ドル(コンセンサス2.17ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:+5〜8%

・EPS:9.20〜9.70ドル

DCF法による目標株価は214ドルのため、2021年1月末時点の株価176ドルより高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.2倍(年率+1.5%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである21%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

ここ数年間売上高が伸びておらず、3年連続で株価も市場全体を下回っていますが、コスト削減等によって利益率は改善傾向にあり、割安感はあります。

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