エクソン・モービル(XOM)決算分析と目標株価 200億ドル超の赤字も配当維持 格付けは引き下げへ

銘柄分析

2020年10-12月期(FY2020Q4)および過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とエクソン・モービルへの投資についてコメントします。

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会社概要

エクソン・モービル(Exxon Mobil Corporation、XOM)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:エネルギー

産業グループ:石油・ガス・消耗燃料

サブ産業グループ:総合石油・ガス

株式時価総額:1,743億ドル(世界ランキング第57位、2020年12月末)

エクソン・モービルは、アメリカに本拠を置く、原油や天然ガス、石油製品、石油化学製品の製造・販売を行う企業です。

エネルギーセクターで第1位の浮動株調整後株式時価総額(2020年12月末、MSCI)で、総合石油・ガスに占めるエクソン・モービルの浮動株調整後株式時価総額比率は18%です。

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売上高の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は465億ドルと、前年同期比▲30.7%となり、コンセンサス(488億ドル)を下回りました。

生産量の推移

生産量は、369万バレル(原油換算日量)と、前年同期比▲8.2%となりました。

(参考)過去5年間の売上高

利益(セグメント別)の推移

2020Q4(2020年10−12月期)の純利益は▲201億ドルと、前年同期比赤字転落となり、純利益率は▲43.1%と、前年同期の8.5%から悪化しました。

セグメント別の純利益は、以下の通りです。

・米国 上流:▲168.0億ドル、前年同期比赤字転落

・海外 上流:▲17.3億ドル、前年同期比赤字転落

・米国 下流:▲5.1億ドル、前年同期比赤字転落

・海外 下流:▲7.0億ドル、前年同期比赤字転落

・米国 石油化学:4.6億ドル、前年同期比黒字転換

・海外 石油化学:2.3億ドル、前年同期比黒字転換

2020Q4のEPSは▲4.70ドルと、コンセンサス(▲1.28ドル)を下回りました。

なお、非GAAP EPSは0.03ドルと、コンセンサス(0.02ドル)を上回りました。

キャッシュフローの推移

2020Q4(2020年10−12月期)の営業キャッシュフローは40億ドルと、前年同期比▲36.9%となり、営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は8.6%と、前年同期の9.5%から悪化しました。

2020Q4の設備投資額/売上高は7.8%と、前年同期の10.0%から低下しました。

2020Q4のフリーキャッシュフローは4億ドルと、前年同期比黒字転換となり、フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は0.8%と、前年同期の▲0.5%から改善しました。

(参考)過去5年間のフリーキャッシュフロー

(参考)過去5年間の発行済株式数

株主還元(配当、自社株買い)の推移

フリーキャッシュフローを超える株主還元です。

四半期配当は0.87ドルで、配当利回りは6.4%(2021年2月末)です。

(参考)過去5年間の株主還元

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

(参考)過去5年間の発行済株式数

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去4四半期中、4敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去4四半期中、1勝、3敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去4四半期中、2勝、2敗です。

株価上昇率

過去1年間(2020年1月から2020年12月末)の株価上昇率は▲40.9%と、S&P500の株価上昇率+16.3%を大きく下回りました。

(参考)過去5年間の株価上昇率

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.1%、金利が1%上昇した場合は8.1%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目40億ドル、2年目〜4年目+60%、5年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目40億ドル、2年目〜5年目+60%、6年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目40億ドル、2年目〜3年目+60%、4年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は33ドルとなります。

エクソン・モービル(Exxon Mobil Corporation、XOM)への投資について

2020Q4(2020年10−12月期)の売上高は465億ドルと、コンセンサス(488億ドル)を下回ったものの、非GAAP EPSは0.03ドルと、コンセンサス(0.02ドル)を上回る実績となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・キャッシュフロー:配当を維持しつつ、設備投資を賄う(ブレント原油価格50ドル)

原油価格が下落した場合には、設備投資額をより削減するなど、株主還元姿勢は積極的で、業績が悪化するとすぐに減配する日本や欧州の企業も見習って欲しいものです。

DCF法による目標株価は33ドルのため、2021年2月末時点の株価54ドルより低い水準です。

なお、メインシナリオは、フリーキャッシュフローがFY2018の水準まで回復し、その後横ばいすることを想定したので、フリーキャッシュフローがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

この1年間で負債額が200億ドル以上増加し、S&Pは格付けをAAからAA−へ引き下げました(シェブロンも同様引き下げ)。

原油価格次第で業績が決まるので株価は乱高下するものの、環境問題もあり、長期的にみて株式市場全体を上回るリターンは難しいと言えます。

エネルギー株へ投資するのであれば、シェブロンの方が魅力的です。

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