積水ハウス(1928)決算分析と目標株価 ROEが10%程度にも関わらずPBRが1倍前半と割安

耐久消費財・アパレル

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出と積水ハウスへの投資についてコメントします。

スポンサーリンク

会社概要

積水ハウス(Sekisui House, Ltd.、1928.T)

ホームページ(有報):リンク先

国:日本

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:耐久消費財・アパレル

サブ産業グループ:住宅建設

積水ハウスは、日本に本拠を置く、戸建住宅・分譲マンション・賃貸住宅等の設計・施工の請負や、不動産の管理・運営・仲介等の事業を展開する大手住宅メーカーです。

セグメントを、請負型ビジネス(戸建住宅、賃貸住宅、建設・土木)、ストック型ビジネス(リフォーム、不動産フィー)、開発型ビジネス(分譲住宅、マンション、都市再開発)、国際の4つに分けています。

(参考)競合他社(住宅建設)の株式時価総額

日本株の時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、予想PER、ROEの推移
世界の株式市場における国別構成比率以下のグラフは、世界の株式市場(浮動株調整後株式時価総額)における各国の構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。日本は、第2位(6.5%)です。日本株のセ...
一般消費財・サービスセクターの株式時価総額ランキング、リターン、配当利回り、PBR、PER、ROEの推移
世界の株式市場におけるセクター(GICS)構成比率以下のグラフは、世界の株式市場における各セクターの構成比率(2021年3月末、MSCI)となります。一般消費財・サービスセクターは、第3位(12.8%)です。...

売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年2月-2021年1月期)の売上高は2兆4,469億円と、前年度比+1.3%、過去5年間で年率+5.7%となりました。

事業別の売上高は、以下の通りです。

・戸建住宅:3,233億円、前年度比▲17%

・賃貸住宅:3,587億円、前年度比▲0%

・建築・土木:3,028億円、前年度比+150%

・リフォーム:1,410億円、前年度比▲8%

・不動産フィー:5,576億円、前年度比+4%

・分譲住宅:1,391億円、前年度比▲8%

・マンション:770億円、前年度比▲26%

・都市再開発:1,049億円、前年度比▲20%

・国際:3,706億円、前年度比▲5%

事業別の売上高構成比は、不動産フィーが23%、国際が16%、賃貸住宅15%、戸建住宅が14%を占めます。

戸建住宅受注残高は1,832億円(前年度比▲0.6%)、1棟単価は4,138万円(前年度比+3.6%)となりました。

賃貸住宅受注残高は3,727億円(前年度比▲1.0%)、1棟単価は1億1,796万円(前年度比+15.2%)となりました。

不動産フィー事業において、管理室数は65.7万(前年度比+2.7%)、入居率は97.7%となりました。

国際事業において、国別売上高構成比は、米国が65%、中国が25%、オーストラリアが10%を占めます。

利益(セグメント別)の推移

FY2020の営業利益は1,865億円と、前年度比▲9.1%、過去5年間で年率+4.5%となりました。

営業利益率は7.6%と、前年度の8.5%から悪化しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは181円と、前年度比▲12.0%、過去5年間で年率+8.6%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020の営業キャッシュフローは1,920億円と、前年度比▲47.2%、過去5年間で年率+33.1%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は7.8%と、前年度の15.1%から悪化しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは1,045億円と、前年度比▲64.8%、過去3年間で年率+0.7%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は4.3%と、前年度の12.3%から悪化しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

FY2020は、50億円の自社株買いを実施しました。

FY2021は、150億円の自社株買いを計画しています。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

FY2020の益利回り(PERの逆数)は9.0%、フリーキャッシュフロー利回りは7.6%と、バリュエーション面で割安感があります。

FY2020の配当利回りは4.2%です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

過去4年間の配当性向は、利益・キャッシュフローベースともに、100%を下回りました。

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020のDPSは84円と、前年度比+3.7%、過去5年間で年率+9.2%となりました。

FY2021のDPSは86円(前年度比+2.4%)の予定です。

(参考)過去5年間の発行済株式数

発行済株式数は、過去5年間で年率▲0.6%減少しました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROICは概ね10%程度です。

過去5年間のROEは10%前後と、会社が目標とする10%程度となっています。

BPSとPBRの推移

以下のグラフは、BPSとPBR(株価は会計年度末)の推移となります。

FY2020のBPSは1,948円と、前年度比+5.2%、過去5年間で年率+5.2%となりました。

FY2020のPBRは1.0倍と低水準です。

以下のグラフは、株式市場全体および11セクターのPBRと予想ROE(2021年3月末、MSCI)の散布図となります。

ROEが高いほど、PBRも高いことが言えます(決定係数は0.847と、説明力は非常に高い)。

金融セクターやエネルギーセクターは、ROEが低いためPBRの観点で割安に放置されています。

会社目標値のROE10%であれば、PBRは1.7倍程度となります。

株価上昇率

FY2020(2020年2月から2021年1月末)の株価上昇率は▲14.5%と、世界株式を投資対象とするVT ETFの上昇率(+15.9%)を下回りました。

過去5年間(2016年2月から2021年1月末)の株価上昇率は年率+1.5%と、VT ETF(年率+11.2%)を大きく下回りました。

競合他社(住宅建設)の株価上昇率(SekisuiHouseは日本円建て、その他はドル建て)は、以下の通りです。

積水ハウス(SekisuiHouse)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲10%と、6社平均(+14%)を下回り、6社中第6位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では+3%と、6社平均(+16%)を下回り、6社中第5位となりました。

過去10年間(2011年5月から2021年4月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。

最高値から20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。

(参考)株価の推移(月末株価)

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを6.2%、金利が1%上昇した場合は7.1%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億円)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜3年目+5%、4年目〜10年目+4%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜5年目+7%、6年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目〜10年目+0%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオの目標株価は2,644円となります。

積水ハウス(Sekisui House, Ltd.、1928.T)への投資について

FY2020(2020年2月-2021年1月期)の売上高は2兆4,469億円(前年度比+1.3%)、EPSは181円(前年度比▲12.0%)と、増収減益となりました。

FY2021のガイダンスは、以下の通りです。

・売上高:2兆5,520億円(前年度比+4.3%)

・営業利益:2,000億円(前年度比+7.2%)

・EPS:200.62円(前年度比+10.7%)

・ROE:10%

DCF法による目標株価は2,644円のため、2021年4月末時点の株価2,209円より高い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が1.3倍(年率+3%)、10年後に向けてフリーキャッシュフローマージンが5.0%まで上昇することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

過去5年間のROEが10%程度にも関わらず、PBRが1倍前半は割安と言えます。

タイトルとURLをコピーしました