マリオット・インターナショナル(MAR)決算分析と目標株価 世界最大のホテルチェーン 自社株買いなど株主還元に積極的

ホテル・リゾート・クルーズ船

過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とマリオット・インターナショナルへの投資についてコメントします。

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会社概要

マリオット・インターナショナル(Marriott International Inc.、MAR)

ホームページ(SECファイル):リンク先

国:アメリカ

セクター:一般消費財・サービス

産業グループ:消費者サービス

サブ産業グループ:ホテル・リゾート・クルーズ船

浮動株調整後株式時価総額:408億ドル(2021年3月末、MSCI)

マリオット・インターナショナルは、アメリカに本拠を置く、ザ・リッツ・カールトンやセントレジス等ラグジュアリーホテルからコートヤード等手軽なホテルまで手掛ける世界最大のホテルチェーンです。

2020年12月末時点で、ホテル数(レジデンス、タイムシェア含む)は7,642、部屋数は140万超です。

一般消費財・サービスセクターの消費者サービスで第3位の浮動株調整後株式時価総額で、ホテル・リゾート・クルーズ船に占めるマリオット・インターナショナルの浮動株調整後株式時価総額比率は27%です。

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売上高(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は106億ドルと、前年度比▲49.6%、過去5年間では年率▲6.1%となりました。

2020Q4の売上高は21.7億ドルと、コンセンサス(24.0億ドル)を下回りました。

セグメント別の売上高は、以下の通りです。

・アメリカ/カナダ:79億ドル、前年度比▲53.0%

・アジアパシフィック:6億ドル、前年度比▲48.5%

・欧州/中東/アフリカ:8億ドル、前年度比▲60.8%

ホテル・部屋数、RevPAR

FY2020のホテル数は7,642件と、前年度比+4.0%となりました。

FY2020の部屋数は142.3万室と、前年度比+3.1%となりました。

FY2020のRevPAR(販売可能客室1室あたりの売上高)は、以下の通りです。

・アメリカ/カナダ:50.7ドル、前年度比▲67.3%

・アジアパシフィック:46.3ドル、前年度比▲53.7%

・カリブ海地域/ラテンアメリカ:52.6ドル、前年度比▲60.0%

・欧州/中東/アフリカ:41.1ドル、前年度比▲68.1%

・全体:47.5ドル、前年度比▲64.3%

利益(セグメント別)の推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業利益は1億ドル(前年度比▲95.3%)、営業利益率は0.8%と、前年度の8.6%から悪化しました。

セグメント別の営業利益率は、以下の通りです。

FY2020のEPSは▲0.82ドルと、前年度比赤字転落となりました。

非GAAP EPSは0.18ドルと、前年度比▲97.0%となりました。

キャッシュフローの推移

FY2020(2020年1-12月期)の営業キャッシュフローは16億ドルと、前年度比▲2.7%、過去5年間では年率+1.6%となりました。

営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/売上高)は15.5%と、前年度の8.0%から改善しました。

FY2020の設備投資額/売上高は1.3%と、前年度の3.1%から低下しました。

FY2020のフリーキャッシュフローは15億ドルと、前年度比+45.7%、過去5年間では年率+4.4%となりました。

フリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー/売上高)は14.2%と、前年度の4.9%から改善しました。

株主還元(配当、自社株買い)の推移

新型コロナウイルスによる業績悪化前までは、自社株買いに積極的でした。

(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)

平時の益利回り(PERの逆数)は3%、フリーキャッシュフロー利回りは4%程度です。

FY2017からFY2019までの総還元利回りは5%超です。

(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向

(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)

FY2020は当然減配となりましたが、それまでは年率20%程度の高い増加率でした。

(参考)過去5年間の発行済株式数

自社株買いに積極的のため、近年発行済株式数は減少しました。

ROICの推移

ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)とは、企業が事業活動のために投じた資金を使ってどれだけ利益を生み出したか(投資効率)を測る指標となります。

正確な計算方法はないため、ここでは、税引後営業利益/投下資本(=運転資本+有形固定資産(リース含む)+無形固定資産+在庫+のれん)として計算しています。

少なくともWACC(加重平均資本コスト)を超えることが絶対条件と言われています。

過去5年間のROIC(FY2020を除く)は5〜10%程度です。

売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移

以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、6勝、2敗です。

以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、1勝、7敗です。

以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。

過去8四半期中、4勝、3敗、1引き分けです。

株価上昇率

過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は+97%(年率+14.5%)と、S&P500の上昇率+84%(年率+12.9%)を上回りました。

競合他社(ホテル)の株価上昇率(Accorはユーロ建て、Imperialは日本円建て)は、以下の通りです。

マリオット・インターナショナル(MAR)の株価上昇率は、2020年の1年間で▲13%と、9社平均(▲6%)を下回り、9社中第7位となりました。

2018年1月から2020年12月の3年間では▲3%と、8社平均(+7%)を下回り、8社中第6位となりました。

DCF法による目標株価

DCF(Discounted Cash Flow)法とは、将来に渡って生み出すキャッシュフローを割り引く(WACC、加重平均資本コスト)ことで理論価格を算出します。

以下のシナリオに基づき、フリーキャッシュフローの現在価値とネット有利子負債を合計して株主価値を算出し、株主価値を発行済株式総数で割ることで、1株あたりの株価を算出します。

なお、WACCを7.3%、金利が1%上昇した場合は8.2%と推計しました。

以下のグラフは、各シナリオのフローキャッシュフロー(億ドル)の推移となります。

① メインシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目+60%、3年目〜10年目+5%。11年目以降の永続成長率は0%。

② アップサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目+60%、3年目〜10年目+10%。11年目以降の永続成長率は0%。

③ ダウンサイドシナリオ

 フリーキャッシュフローの成長率:1年目+30%、2年目+60%、3年目〜10年目+2%。11年目以降の永続成長率は0%。

メインシナリオでの目標株価は139ドルとなります。

マリオット・インターナショナル(Marriott International Inc.、MAR)への投資について

FY2020(2020年1-12月期)の売上高は106億ドルと、前年度比▲49.6%となりました。

DCF法による目標株価は139ドルのため、2021年3月末時点の株価148ドルより低い水準です。

なお、メインシナリオは、10年後の売上高が3.1倍(年率+12%)、FY2020のフリーキャッシュフローマージンである14%が10年間継続することを想定したので、売上高またはフリーキャッシュフローマージンがさらに上向けばより高い株価上昇が期待できます。

新型コロナウイルスが落ち着けば、業績は急回復しますが、株価に織り込まれていると思います。

ホテルのなかでは、ヒルトン・ワールドワイドが魅力的です。

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