過去の業績の推移を解説し、目標株価の算出とサザン・カンパニーへの投資についてコメントします。
会社概要
サザン・カンパニー(Southern Company、SO)
ホームページ(SECファイル):リンク先
国:アメリカ
セクター:公益事業
産業グループ:電力
サブ産業グループ:電力
浮動株調整後株式時価総額:649億ドル(2020年12月末、MSCI)
サザン・カンパニーは、アメリカに本拠を置く、アラバマ州、ジョージア州、ミシシッピ州の各州を中心とした電力供給会社、及び天然ガスの供給等を行う会社などを傘下に持つ企業です。
公益事業セクターで第5位の浮動株調整後株式時価総額で、電力に占めるサザン・カンパニーの浮動株調整後株式時価総額比率は6%です。
売上高(セグメント別)の推移
2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は59億ドル(前年同期比+17.8%)と、コンセンサス(55億ドル)を上回りました。
セグメント別の売上高は、以下の通りです。
・アラバマパワー:15.6億ドル、前年同期比+15%
・ジョージアパワー:19.7億ドル、前年同期比+8%
・ミシシッピパワー:3.1億ドル、前年同期比+11%
・サザンパワー:4.4億ドル、前年同期比+17%
・天然ガス:16.9億ドル、前年同期比+36%
(参考)過去5年間の売上高
売上高は、過去5年間で年率+3.1%となりました。
利益(セグメント別)の推移
2021Q1の営業利益は16億ドル(前年同期比+26.5%)、営業利益率は27.0%と、前年同期の25.2%から改善しました。
セグメント別の税引前利益率は、以下の通りです。
2021Q1のEPSは1.07ドルと、コンセンサス(0.84ドル)を上回りました。
非GAAP EPSは0.98ドルと、コンセンサス(0.83ドル)を上回りました。
(参考)過去5年間のEPS
非GAAP EPSは、過去5年間で年率+2.4%となりました。
キャッシュフローの推移
FY2020の営業キャッシュフローは80億ドルと、前年度比▲2.1%、過去3年間で年率+7.3%となりました。
株主還元(配当、自社株買い)の推移
自社株買いの実施は、ほぼなしです。
(参考)過去5年間の株主還元利回り(株価は各会計年度末時点)
FY2020の益利回り(非GAAP、PERの逆数)は5.3%です。
FY2020の配当利回りは4.1%です。
(参考)過去5年間の配当性向、総還元性向
過去5年間の配当性向(非GAAP)は80%程度と、高水準です。
(参考)過去5年間のDPS(1株当たり配当金)
FY2020のDPSは2.54ドルと、前年度比+3.3%、過去5年間で年率+3.4%となりました。
売上高およびEPSの実績値とコンセンサスの推移
以下のグラフは、売上高のコンセンサスおよび実績値の推移となります。
過去7四半期中、1勝、6敗です。
以下のグラフは、EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。
過去7四半期中、4勝、3敗です。
以下のグラフは、非GAAP EPSのコンセンサスおよび実績値の推移となります。
過去7四半期中、6勝、1敗です。
株価上昇率
過去1年間(2020年4月から2021年3月末)の株価上昇率は+14.8%と、S&P500の株価上昇率+53.7%を大きく下回りました。
競合他社(公益事業セクター)の株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。
株式市場全体の下落局面における株価上昇率(ドル建て)は、以下の通りです。
公益事業セクターは、下落相場に強い傾向があります。
過去10年間(2011年4月から2021年3月)のドローダウン(最高値からの下落率、月末株価)の推移は、以下の通りです。
最高値から15〜20%程度下落すると反発する傾向にあるため、その時が狙い目です。
(参考)過去5年間の株価上昇率
過去5年間(2016年1月から2020年12月末)の株価上昇率は年率+5.6%と、S&P500(年率+12.9%)を下回りました。
(参考)株価の推移(月末株価)
通常の目盛り表示の場合、近年の株価のブレ幅(上昇もしくは下落)が過去より非常に大きいと錯覚するため、対数目盛りで表示しています。
目標株価
公益事業セクターは、倒産リスクが低く、安定した業績が期待できることから、国債より高い配当利回りに注目が集まります。
以下のグラフは、配当利回りとスプレッド(米国10年金利差)の推移です。
利益成長率が低いことから、配当利回りは4〜5%程度と高水準です。
メインシナリオのスプレッドを2%、アップサイドシナリオのスプレッドを1.5%、ダウンサイドシナリオのスプレッドを3%としました。
メインシナリオの目標株価は71ドルとなります。
サザン・カンパニー(Southern Company、SO)への投資について
2021Q1(2021年1−3月期)の売上高は59億ドル(コンセンサス55億ドル、非GAAP EPSは0.98ドル(コンセンサス0.83ドル)と、コンセンサスを上回る実績となりました。
FY2021のガイダンスは、以下の通りです。
・非GAAP EPS:3.25〜3.35ドル(FY2020:3.25ドル)
FY2020のエネルギーミックスは、石炭が17%と、前年(22%)と比較して低下しており、ESGの観点からポジティブです。
目標株価は71ドルのため、2021年4月末時点の株価66ドルより高い水準です。
長期的にみて、利益成長率(増配率)が3%程度のため、株価も毎年3%の上昇(+配当)は期待できそうです。
公益事業セクターのなかでは、ネクステラ・エネジーが魅力的です。